
このたび、縁あって株式会社DoctorPlusの顧問に就任した雪下です。月に一度、健康増進やメンタル面についてのコラムを書かせていただくことになりました。

今回はまず、私の自己紹介をさせていただきたいと思います。私は現在36歳の医師です。平成9年に順天堂大学医学部を卒業し、翌平成10年に医師免許を取得しました。卒業と国家試験合格に一年間が空いていますが、これには理由があります。実は、医学部6年生の夏に長野県菅平で行われたラグビーの試合でスポーツ事故に遭い、首の骨を折ってしまいました。このケガにより脊髄を損傷し、手足の自由がきかない身となってしまいました。この事故以来、車椅子を使った生活をしています。
幸運なことに、当時通っていた順天堂大学の病院に入院となったので、病室で卒業試験を受け、病室から卒業式に出席しました。その後、リハビリ病院に転院し、受傷してから合計16ヶ月間、病院で過ごしました。そして、卒業から1年遅れて国家試験を受験し、無事に医師免許を取得しました。
医師免許取得後、順天堂医院の精神神経科で2年間の臨床研修を行いました。ケガをする前は精神科の道に進むことは考えていませんでした。しかし、ケガをして自分が患者となり、精神的にも非常に苦しい経験をして、メンタル面のサポートの重要性を痛感しました。そこで、精神科で臨床研修を行うことに決めたのです。

臨床研修終了後、2001年から4年間、アメリカのハワイとサンディエゴに留学し、心理学、そしてスポーツ心理学を学びました。アメリカではハンディキャップを持った学生に対するサポートが充実していると聞き、ぜひ一度体感してみたいと思い留学を決意しました。最初はハワイ大学に3年間、続いて、サンディエゴ州立大学大学院に1年間、留学していました。実際、アメリカの大学はハンディキャップを持つ学生に対するシステムができあがっていて、ほとんどストレスなく勉強できました。キャンパスも街中もほぼバリアフリー化されているので、ハンディキャップを意識することなく過ごすことができました。この辺は日本よりずっと進んでいます。
ハワイ大学で心理学を勉強している時に「スポーツ心理学」という学問があると知り、スポーツが大好きな私は非常に興味を持ちました。そして、スポーツ心理学のコースがあるサンディエゴ州立大学大学院に進学しました。残念ながら、諸般の事情で留学を続けることができなくなり、大学院でのスポーツ心理学の勉強は中途になってしまいましたが、今も個人的に勉強を続けています。
スポーツ心理学とは、一言で言うとスポーツ選手のパフォーマンスを上げるための心理学ですが、運動のもたらす心理的効果などテーマも広がりを見せています。運動やスポーツは身体だけではなく、精神面にも良い影響をもたらします。たとえば、運動をして汗をかくと、スカッと爽快な気分になりますよね?これも運動が心理面に影響を及ぼしている一例です。それ以外にも、モチベーションや目標設定など、『DOCTOR PLUS+』を利用されている方のお役に立ちそうなトピックがいろいろとあるので、このコラムで紹介していきたいと考えています。
4年間の留学生活では多くのことを学びましたが、一番心に強く残ったのはアメリカに住む方達の「人生を楽しむ」という姿勢です。オンオフをきちっと切り替えて、日々を楽しんで生活している人たちをたくさん目にし、自分自身の生き方について考えさせられました。自分が楽しんでいるから、他の人にも優しくできるし、その人が楽しむための手伝いも出来る。大人が遊び楽しんでいるから、それを見ている子供も楽しく育つ。こういったポジティブなサイクルが今の日本人には欠けているように思います。そこで、私は「人生、特に今この瞬間を楽しむ」ということを強く意識した生活を送るようにしています。

現在、私は順天堂大学医学部医学研究科で大学院生をしています。ここでは主に自律神経の研究を行っています。自律神経は身体の機能を適切な状態にコントロールする役割を担っていて、それは常に意識することなく機能しています。しかし、ストレスの多い現代社会では自律神経のバランスが狂い、それによる体調の不良が増えているのです。運動はストレス発散や自律神経のバランスを正常化させるのに大変有効です。こういった大学院で学んでいる最新の知見を『DOCTOR PLUS+』のみなさまにも紹介していき、トレーニングに役立てていただけたらと考えています。

今回は長々と自分について書きましたが、このコラムを読んでくださっている方にどういう人がこれを書いているのかをぜひ知っていただきたいと思ったからです。このコラムでは私が学んできたことや経験してきたことで、『DOCTOR PLUS+』をご利用いただいている方の健康増進や目標実現に役立ちそうな話をしていきたいと思っています。それでは、よろしくお願いします!


